Magna Torrero：今も生き続ける

Torreroの名前は、かつて貴族が優位性を示すために馬に乗って行っていた古代のスポーツであるバッファローと闘牛を思い起こさせるように設計されました。

Torreroが1989年初に北米国際モータショーでデビューしたとき、自動車デザイナー達は、その人目を引くアグレッシブなスタイリングの手がかりを真似ようとしていました。その後、その春のジュネーブ オートショーにも登場しました。当時の写真をみると、車両を良く観察するために、Magnaの競合他社を含め、人が車両の周りにたくさん群がっていることがわかります。

箱型のセダンとステーション ワゴンの時代に、Magnaの筋肉質な 全輪駆動コンセプトの高級オフローダーは、頑丈なフェンダー、大きなグリル、鋭く削られたフロントガラスで際立っていました。Magnaの元幹部で、1980年代半ばにTorrero のオリジナル スケッチを書いたFred Ginglさんは、Torrero が「技術革新に詰め込んだ芸術作品」に見えるように設計されていると言いました。

「それは破壊的で未来的なものでした」とGinglさんは言いました。「ある出版物は、『これは車でも、トラックでも、ステーション ワゴンでもありません』と表現し、また、あるレビュアーは『Torreroは伝統的な高級車とは一線を画している」と驚きを隠しませんでした』」としています。

Torreroの背景であるMagnaエンジニアとデザイナーは、1980年代後半の2年間、「究極の高性能駆動車で、優れた能力を備えた新しいタイプの車」の製作を任されました。

会社の記録資料は、困難なタスクの詳細を明らかにしています。Torrero (4x4四駆車コード名：CMC-44) は、「アメリカ北西部の厳しい環境、すなわち、岩の多い平野と大きな峰で囲まれた環境の伝説的な『ビッグ カントリー』という土地で強者しか生き残されない強さ、精神、スタミナを備えなければならない」としています。

Torrero は、532馬力の8.1リッターV8エンジンとピボット式フロント シートから、ビデオ プレーヤーを含む一連の電子機器まで、Magnaの最先端技術がショーケースされました。

Magnaは、計画とプログラム管理から生産の実現可能性まで、Torrero開発のあらゆる側面を監督しました。

カナダ自動車博物館に展示されているものを含め、3台のプロトタイプが製造されました。2台目は廃棄され、3台目はカリフォルニアのある映画会社に譲渡されました。その所在は謎のままです。

Torrero は量産を目的としたものではありませんでしたが、BMWなどの高級自動車メーカーとの事業提携を促成しました。その未来的な外観は、Magna従業員や業界ウォッチャーにインスピレーションを与え続けています。さらに重要なことは、業界のリーダーとして活躍するMagnaの専門知識、経験、素晴らしい実績の代表例のひとつであるということです。